2012年度設計系授業参考作品
2012年度に行われた1年生から4年生までの設計系授業の参考作品を課題別に紹介します
*1年次設計演習授業
建築デザイン2・同演習(秋・水3−4・2セメスター)
◎渡邉研司・加藤仁美・十亀昭人・秋吉正雄・今村壽博・金子哲也・白子秀隆・田島芳竹・富永哲史・彦根 明・平本和也・森昌樹
2年次設計演習授業
建築デザイン3・同演習(春・木3−4・3セメスター)
◎杉本洋文・小沢朝江・羽生修二・山崎俊裕・岡田公彦・岸本和彦・白子秀隆・田島芳竹・手塚由比・富永哲史・彦根明・森昌樹
まちづくりセンター
東海大学周辺地域は駅を起点に商店街が広がり、地域住民と多くの学生がまちを構成している。一方で、地域交流のできる場はなく、多くの学生は単なる道として商店街を通過し、コミュニケーションの機会は少ないといえる。「大学のあるまち」というポテンシャルが持つ可能性を十分に引き出せていないのではないだろうか。そこで地域交流の拠点とした「まちづくりセンター」を計画し、立体的なつながりを持った新しい地域社会をつくってほしい。「まちづくりセンター」は住民・学生・商店街の人々が連携し、まちの未来を描く拠点になるだろう。
■敷地面積 約146㎡
■設計条件
・要求面積 約70㎡
・最高高さ 10m以下
・構造・階数 自由(ただし地階は不可)
■要求諸室
・活動スペース
・カフェスペース(厨房含む)
・その他(オフィス、倉庫、トイレ)
■利用内容
・学生サークル(公認・非公認とも)の活動
・商店街イベント:お祭りやイベント等の企画・実施
・周辺住民のための企画展示
[例:子供アート展(地域の幼稚園、小学校、中学校、高校との連携)]
里山の週末住宅
2011年の東日本大震災は私たちに自然環境との関わり合い方を再考させる出来事でした。地震や津波などの地球の動きが人間の生活に与える影響の大きさをあらためて実感するとともに、私たち自身も自然の大きな循環の一部であるということを認識しながら生活していく必要があるでしょう。また、人間が生活する上で必要なエネルギーも有限な生活環境の一部であるということも考えていかなければいけません。
今回、大学にほど近く、豊かな自然に囲まれた金目川沿いに計画敷地を設定し、週末住宅を設計します。みなさんは各自敷地や周辺を散策し、深い洞察を加えることにより、地球環境の保全といったマクロなレベルでの自然との関わりとともに、その場所での風の流れ、木々が生み出す木陰の変化、時間によって移り変わる太陽の動きや空の色、川や降雨がもたらす潤い、ゆるやかな土地の傾斜(地形の変化)など、ミクロなレベルでの自然との関わり合いを考えた住宅を計画、設計してください。
古来、建築は自然環境から人間を守るシェルターとして生まれ、発展してきたといえるでしょう。これからの時代を見据えた、新しい自然との関わり合い方を実現する住宅を考えてください。
■敷地条件
・神奈川県平塚市南金目
敷地北西に前面道路。その向かいに金目川が流れる緑あふれる土地。
敷地内の樹木も活用しながら計画すること。
■設計条件
・敷地面積 300㎡
・延床面積 100㎡前後(駐車場・屋外スペースは面積に含まない)
・絶対高さ 12m以下
・構造・階数 自由
■家族構成
夫婦(50代)+子供(大学生)1人
夫:ウィークデーは東京で会社勤務。
老後も見据え生まれ育った地域である平塚に計画地を購入。
週末を計画地で過ごし、高齢の祖母の家にもここから通う。
妻:パートタイムで働きながら週末に趣味と実益を兼ねた陶芸制作を週末住宅で行う。
子供:東京で一人暮らし。4~5人の友人と時折週末住宅を訪れる。
■要求諸室
・リビングダイニング
・アトリエ
・ゲストルーム
(上記3部屋は独立して設けても兼用してもよい)
・寝室
・水廻り、その他
・駐車場(屋外でも可)
仕事場のある都市型住宅
家は、生活を包むシェルターとして外部環境と生活者の間に物理的、あるいは心理的な境界を形成する。その一方で、生活は家族の成長や増減によって大きく変化していく。家も変化する生活に合わせてその形を変えていくことができれば良いが、なかなかハードウェアの更新による対応は難しいものである。10年ほど前によく言われたスケルトンインフィルという考え方は、外郭または骨組みに変化を加えず、中身を変えていくことで建物の適応力を発揮させ、建築そのものの寿命を延ばすというものであるが、究極のスケルトンインフィルは、中身にもほぼ手を加えずに、使いまわしのきく空間を用意することであろう。
典型的な都市型の住宅街に、夫婦のためのSOHO(Small Office Home Office)付き住宅を計画して欲しい。建物の四方向はほぼ隣家に囲まれ、直接周囲に対して開いたつくりとすることは難しい。現在は夫婦二人の生活と、SOHOが成立していれば良いが、将来的には子供ができる可能性、両親との同居などの可能性を残しておきたい。
住宅の基本的なスケールを理解し、これまでに学んだことを活かして魅力ある空間の提案を期待する。
■敷地条件
・世田谷区の閑静な住宅街
旗竿形状の敷地、東西南北に隣家がある。
隣家の隙間や方位、空の活用などを意識しながら計画すること
■設計条件
・敷地面積 150㎡
・延床面積 100㎡程度(駐車場・屋外スペースは面積に含まない)
・絶対高さ 8m以下
・構造・階数 自由
■家族構成
夫婦(30代)
夫:自宅にオフィスを置いて仕事をしている
(業種の想定は自由。オフィスは3畳程度の小さなものでも可)
妻:専業主婦
※将来的に子供や親など、家族が1~2名増えることを想定する
■要求諸室
・リビングダイニング
・SOHO
・エクストラルーム
(はじめから独立した部屋としても、大きな空間から必要に応じて仕切るものでも良い)
・主寝室
・水廻り・その他
・駐車場(屋外でも可)
建築デザイン4・同演習(秋・木3−4・4セメスター)
◎吉松秀樹・山崎俊裕・渡邉研司・木島千嘉・岸本和彦・河内一泰・武井誠・納谷新・更田邦彦・古見演良
Addition to subtracted SHIMOKITA -引き算される街・下北沢をより魅力的にする足し算-
デザインという行為は、「整理する」作業から始まる。それは条件を「整える」ことだったり、バラバラな要素を「揃える」ことだったりするが、初期段階ではそれだけでデザインの方向性が決まってしまうこともある。「整え」たり「揃える」ために、何かを「削除」しなければならないこともあるし、何かを「付加」する必要が発生することもある。デザインとは、基本的にこの「引き算」と「足し算」のバランスで成立している。これは、インテリアのような「場」や建築のような「モノ」をデザインする場合に限らず、都市やランドスケープをデザインする場合も同じである。デザインとは、「モノ」を作ることが目的なのではなく、「場」や「経験」や「生活」を描くことが目的であるからだ。
この課題は、小田急線・井の頭線下北沢駅北口周辺(通称シモキタ)を対象としてサーベイ(調査)を行い、そこで発見した問題意識をもとに、これからのシモキタより魅力的にする一時的な建築提案を求めるものである。ここ数年、シモキタは、小田急線の地下化工事や将来計画に伴い、変化し続けている。工事のための空き地もあるし、駅前計画や道路計画(補助54号線)のためにヴォイド(空白)になっている場所や店も多い。それに伴い、一番街商店街などには一時的な店が増え、これまでとは違った様相を見せ始めている。いわば、都市的な「引き算」と「足し算」がバランスしている街だといえるだろう。
このシモキタをサーベイ(調査)し、引き算された場所(隙間や空き地)を選び、一時的な建築装置(建築ではない)を提案する。だが、提案するものは公園や自転車置き場ではなく、街の清掃や大規模な都市改造をもとめているわけではない。サーベイ→分析→問題意識→提案といったプロセスを、自らの体験をもとに発展させることを期待している。
■敷地条件 下北沢駅周辺に各自場所を設定する
■建築条件 建築的・都市的提案であること
■建築規模 延床面積は特に規定しない
■施設内容 ・周辺環境との関わりに配慮した提案であること
・新しいアクティビティーを発生させるために必要な機能を含むこと
Shimokita Place -これからの下北沢のための「図書館のようなもの」-
建築の設計において、public(公共)は欠かせない概念である。社会生活で無意識に使用している施設全てに、public(公共)は存在している。この課題は、第1課題でサーベイをした下北沢駅北口エリアの中心に位置するブロックを敷地に選び、これからの下北沢のための「図書館のようなもの」を考えることで、現代における公共の意味を問うものである。
現在の本は、文化の根本的メディアとして数百年の歴史を持っている。しかし、この伝統的メディアは、iPhoneやiPadなどの普及に伴って、デジタルメディアに急速に取って代わりつつある。現在の本が全てデジタルメディアに代わると考える専門家は少ないが、その関係性は大きく変化していくだろう。最近では、デジタルメディアに対して、プリントメディアという言葉が使われるようになり、その流通システムもアマゾン(amazon.com)やiTuneに代表されるように、急激な変化をとげている。本屋も、最近のTSUTAYAのように、様々な機能・役割が付加されたメディアストアへと変わりつつある。図書館もまた、これまでの図書管理を中心としたサービスから、新しい公共施設としての使命を考えなくてはならない岐路にあり、そういった新しい枠組みの公共施設が出現し始めている。以上のような現状をふまえた上で、様々な文化の街である下北沢に、これからのメディアサービス機能を中心とした「シモキタ・プレイス」を提案し、これからの下北沢に相応しい、都市生活と公共施設の関係を記述してほしい。
(補足)
メディアサービスや展示スペース以外に、ワークショップや講演などに使われる小ホール(100~150人)やカフェなどを設けること。大きな施設ではないので、演劇・音楽・ファッション・食などテーマを選び、下北沢らしい専門的な施設としてもよい。
■敷地条件
東京都世田谷区 1500㎡
商業地域・建ぺい率80%・容積率500%
南側道路や東側道路は、法規上4mに拡幅しなくてはならないが、提案に応じて判断して良い
敷地内に、公開空地300㎡を設けること
■建築条件
構造・階数 自由
■建築規模
延床面積 1500㎡程度
■施設内容
メディアテーク(図書+展示・情報+メディア)機能、小ホール機能(100~150人)、提案機能
管理機能(事務室、従業員控室、倉庫、トイレ)
搬出入・荷さばき室、機械室(延床面積の7~10%)
駐車スペースは設けなくとも良いが、メンテナンス、搬入などのサービス経路を考慮する
管理、サービスのスペースを確保し、周辺環境も含めた提案を必ず行うこと
友だちと使う風呂小屋
雨や風、暑さ、寒さから逃れるシェルターが、建築の原点であると思う。気候の変化から身を守り、外敵からも身を守る。その答えとして、建築の屋根や壁は存在している。つまり、建築を設計する行為とは。「領域」を決定する行為であると言い換えられるだろう。壁や屋根によって、外部と内部の領域を分けることで、「建築」は成立しているのだ。
しかし、その「領域」を快適に使うためには、いくつかの建築装置が必要である。複数の領域をつなぐ装置としての「階段」もそうであるし、台所や風呂などの「水まわり」も欠かせない。トイレ・風呂・キッチンなどの水まわりと階段が設計できれば、住宅はほとんど設計できていると言っても良いだろう。これらの設計には、様々な「スケール」や「素材」を覚え、それらを使いこなせることが必要となるからである。
特に日本人にとって「風呂」は重要な要素である。風呂に入り、身体を清めることは私たちにとって生活の一部であるし、温泉などでゆったりと湯船につかることで幸せを感じる日本人は多い。一緒にお風呂に入ってコミュニケーションする行為もまた、日本人らしい風習のひとつである。そこで、与えられた自然豊かな緩やかな傾斜地に、友人たちと共同で使用する風呂小屋を設計してほしい。友人たちは男女数名ずつのグループで、数名が一緒に入れるお風呂を中心としたシェア型週末住宅(活動拠点)を求めている。
この課題は、設計をするために必要な「スケール」を身につけ、建築の部分から建築全体を考えていく行為を目的とするものである。建築にとって、そして自分にとって「風呂」とは何か?そして「住宅」とは何か?を考えることによって、みんなで使える魅力的な「風呂小屋」を提案してほしい。
■敷地
・425㎡ (自然豊かな環境で、南側にアプローチ道路があり、南東方向の遠くに山が望める)
上記以外については、自由に設定して良い。駐車スペースは設けても良いし、
道路上に駐車でも良い。
■設計条件
・みんなで使う魅力的な風呂スペースをもつ週末住宅(活動拠点)であること。
・構造形式 自由
・床面積 70㎡程度
・必要諸室 友人たち2~6名で使う住空間であること。
住宅として成立する機能を満たしていること(他に依存しない)。
・ランドスケープ 敷地内のアプローチ・ランドスケープなどを必ず提案する。
3年次設計演習授業
建築設計論1・同演習(春・月3−4・5セメスター)
◎吉松秀樹・木島千嘉・武井誠・蜂屋景二・古見演良・柳澤潤
Elementary School and Richness, Shimokitazawa -小学校と豊かさ-
東日本大震災や原発事故の経験を経て、建築や都市に対する考え方が変わった人も多いだろう。それは、強大な自然の力への脅威もさることながら、私たちにとって本当に大切なものとは何かという根源的な問いを突きつけられたからだと思う。建築や都市を設計するもの者にとって、その「豊かさ」を考えることは、設計の規範となる行為である。この課題を通して、自分や地域にとっての「豊かさ」とは何かを今一度問い直して欲しい。
学校建築は、この30年ほどの間に様変わりし、片廊下に教室が並ぶ従来型から、開放的なオープンスクール型まで、様々な学校がつくられた。こうした学校建築の多様化は、教育や学校のあり方が模索され続けてきた結果である。一方、学校を取り巻く社会環境も大きく変わり、より地域に開放された学校が求められ、生涯学習の場や、子育て支援のための設備が設けられるようになった。学校は、社会から切り離された教育のためだけの空間ではなく、都市や地域の生活のための公共空間へと変貌している。震災時の避難場所に多くの学校の体育館が使われたように、現代の小学校は新しい社会的使命を与えられていると言って良い。
小学校という教育のための施設を、都市や社会の側から再考することが、この課題の目的である。どんな空間を作れば、子供達が生き生きと学び、遊ぶ環境と、社会や街との新しい関係が共存できるだろうか?既存の教育プログラムや学校建築の形式にとらわれることなく、これからの日本にとって必要な、公共施設としての小学校空間を提案してほしい。
少子化が進み、統廃合が議論されている都心の小学校用地に、地域に開かれた、街の核となる小学校(スクール)を計画・設計する。様々な世代にとっての「場」を提案するにあたって、以下の3つの連続性を意識してほしい。
1・都市コンテクスト(文脈)を読み込み、ランドスケープと建築デザインを行うことによる周辺環境との連続性
2・子供たち・教員・地域住民にとっての平面的・断面的な動線計画を熟慮し、配置された諸機能の連続性
3・建築計画にとどまらず、家具デザインから構造デザインに至る思考の連続性
■敷地 東京都世田谷区
■敷地面積 5,850㎡
■設計条件 延床面積 4,000㎡程度
構造形式 S造、RC造、SRC造など
必要諸室 下記を基準面積として提案を行うこと。(提案に応じて変更してよい)
・普通教室 :768㎡(64㎡×12室)
・音楽室 :128㎡(1室)
・理科室 :128㎡(1室)
・家庭科室 :128㎡(1室)
・図画工作室 :128㎡(1室)
・図書室 :128㎡(1室)
・校長室 :64㎡(1室)
・職員室 :128㎡(1室)
・保健室 :128㎡(1室)
・共用部 :2400㎡(WS・廊下・トイレなど)
・提案機能 :自由(街の核として機能させるもの)
※200mトラックや100m直線路などは設けなくても良いが、
体育の授業が行えるように考えること。
※体育館やプールは各自の提案による
Museum of Popculture Tokyo
アニメやまんが・ゲームなど新しい日本文化は世界中に広がっており、それらを目的に来日する外国人も多い、だが、こういった日本のポップカルチャーに対するインフォメーションセンターやミュージアムなどの整備は遅れており、それらを教育する公的な機関もほぼないのが現状である。文化庁は1997年から「文化庁メディア芸術祭」を開催し、アート部門、エンターテインメント部門、アニメーション部門、マンガ部門の4部門の賞を表彰しているが、活動の中心となる施設を有していないこともあり、広く認知されているとは言い難く、また、全てのポップカルチャーを対象としているわけでもない。
こういった状況を受けて、日本の新しい文化を発信する国際文化交流拠点「トーキョー・ポップカルチャーミュージアム」を青山に計画する課題である。ポップカルチャーミュージアムは大衆文化博物館という意味であるが、展示だけに留まらず、知的好奇心を充足させる総合的な文化活動拠点と位置づけたい。ここでは、ポップカルチャーに関する展示・情報サービスに加え、資料のデジタル化を進め、音響・画像・映像情報なども包括的に扱い、常に最新の情報と場所の提供が行われる。このようなポップカルチャーの多様な文化的・創造的活動を支援するそのサービス、およびその建築を、「ポップカルチャーミュージアム」とする。
計画に先立って、敷地および周辺の状況、都市的・文化的コンテクストを読み込み、青山が持つ都市的アクティビティを理解してほしい。都心ゆえに敷地はプログラムの内容に比べ小さく、計画建物は垂直方向に伸びざるを得ない。必要な諸機能を垂直に、時に水平に重ねて統合し、都市的なコンテクストを踏まえたポップカルチャーの拠点にふさわしい施設・建築空間を創造することを期待している。
計画にあたり、以下の3つの連続性を意識してほしい。
1・周辺環境との連続性。ランドスケープと建築の両方をデザインする。都市のコンテクスト(文脈)を読み込み、青山の都市アクティビティを理解する。
2・配置された諸機能の連続性。平面的・断面的な動線計画を熟慮し、施設全体が魅力的な施設とする。
3・家具デザインから構造デザインに至る思考の連続性。プログラムから建築のカタチを作りあげていくことを目標に、スケッチや図面を描いて案を練り上げる。
■敷地 東京都港区
■敷地面積 1,040㎡
■敷地条件 商業地域・防火地域
容積率:700%・建蔽率:80%
■設計条件 延床面積:6,000㎡前後
公開空地を200㎡以上設けること
■構造形式 自由(S造、RC造、SRC造など)
■高さ 地上40m以上とする(地下1~2層、地上8~10層程度)
■必要諸室 下記を基準面積として提案を行うこと。(提案に応じて変更してよい)
・情報センター :500㎡(関係図書・アーカイブ・デジタルスタジオ)
・映像センター :300㎡
(DVD・CDその他+ブース+情報入出力・配信サービス)
・常設企画展示 :1000㎡(常設企画展示・一時倉庫)
・ショップ・カフェ:300㎡(ミュージアムショップ・カフェ)
・ホール :300㎡
(200人、講演・作品上映・映画などAV機能を有する)
・収蔵・倉庫 :400㎡(搬出入スペース・荷解きスペース・収蔵・補修)
・ワークショップ :250㎡(100㎡×1室、50㎡×2室、控室25㎡×2)
・管理部門 :500㎡(事務、館長室、会議、整理、製本)
・研究室 :100㎡(25㎡×4室)
・機械室 :500㎡(空調+電気)
・共用 :ロビー・ホワイエ・通路・休憩ラウンジ・階段・便所
屋外イベントスペース等
・その他 :避難階段として区画された2つ以上の直通階段
客用EV(必要台数)+搬出入EV
:駐車場は敷地外とするが、搬出入動線や駐車スペースは確保
建築設計論2・同演習(秋・月3−4・6セメスター)
◎杉本洋文・岩崎克也・佐々木龍郎・山縣洋
小田原城ホール
小田原市には、東海道(国道1号線)とお堀端通りの間に文化会館と市民ホールがある。しかし、老朽化と市民ニーズを充足できず、別敷地に建て替えることになっている。現在、小田原市の新たな文化発信拠点として「城下町ホール」が計画され、市民参加型で計画が推進され、市民や専門家を交えた委員会によって、ホールのあるべき姿の模索が行われた。その結果、基本構想および基本計画がまとまり、このたび、一般に公開された。この計画条件を前提として、小田原市にふさわしい城下町ホールの提案を目的とする。
■敷地 神奈川県小田原市
■敷地面積 約9,500㎡
■用途地域 商業地域(建ぺい率80%、容積率400%)
防火地域、第4種高度地区(最高高さ31m)、駐車場整備地区
■建築概要
◆構 造 RC造またはS造
◆規 模 10,000㎡程度
◆階 数 適宜
◆必要諸室 下記は参考項目とし最終的には各提案者に任せる
・ホール機能:5,500㎡
-大ホール(1,200席程度 音響に配慮した本格的なホール。
平土間は不可)
※プロセニアム形式の舞台および十分な広さの側舞台を持つホールを
基本とする
-小ホール(300席程度 段床式の固定席)
-ホワイエ
-楽屋(大きさの異なる楽屋を複数)
・展示機能:500㎡
-大型の作品にも対応可能な展示スペース(4m程度の有効天井高さ)
-展示の準備室・収蔵庫
・創造系支援系機能:1,000㎡
-大中小の各スタジオ
-ワークショップスペース
・交流機能:600㎡
-オープンロビー
-レストラン・カフェ
-託児室など
・管理機能
-楽屋事務室、管理事務室(20~30人程度の執務スペース)
・その他
-各施設に必要なトイレ、倉庫、廊下など
-機械室
-広場(外部)、駐車場(40~50台)
○○を建て替える
○○は、単純な商業施設ではなく、そこにおける消費活動を通じて、常に新しい文化をつくり出すことを目指し建てられ、最上階にミュージアムでは、前衛的な演劇、展覧会などを企画し発信している。
今回の建て替えでは、そのような事業の特徴を十分に理解し、また、現在の立地を十分に検討した上で提案をしてほしい。なお、商業消費活動=ショッピングと文化芸術活動との関係を各自考え、提案の軸に据えること。
■敷地 東京都渋谷区
■敷地面積 約2,776㎡
■用途地域1 商業地域(建ぺい率80% 容積率500%)
防火地域、60m高度地区(最高高さ60m)、第2種文教地区
■用途地域2 第1種住居地域(建ぺい率60% 容積率300%)
準防火地域、30m第3種高度地区(最高高さ30m)、第1種文教地区
■建築概要
◆構造 自由
◆規模 建築基準法の範囲内で事業性を担保できる規模
◆階数 適宜
◆用途 商業機能+文化芸術機能
・商業機能と文化芸術機能の比率は任意
・商業は入居ブランド、ショップ等を具体的に提案すること
・文化芸術はその施設自体を運営する企業、芸術監督。
ディレクター等を具体的に提案すること
・駐車場は計画しなくて良い。ただし、搬出入スペースは必要