2019年度設計系授業参考作品

*1年次設計演習授業

建築デザイン演習1(春・水3−4・1セメスター)

◎小沢朝江・加藤仁美・十亀昭人・伊藤喜彦・藤田大海・番場俊宏・金子哲也・平本玲・森昌樹・長谷川栄子

建築デザイン演習2(秋・水3−4・2セメスター)

◎伊藤喜彦・小沢朝江・十亀昭人・野口直人・彦根明・番場俊宏・井上玄・森屋隆洋・森昌樹・伊藤州平

陰影をとらえる

自然光を採り入れて陰影のある内部空間を提示しなさい。

 

■条件
・内部空間を覗くための開口と自然採光のための開口をそれぞれ1つ以上設けること
・空間の大きさと形は自由とするが、模型のサイズは幅500mm・奥行500mm・高さ500mm以内に

 おさめること。ただし、建築で常用される縮尺を用い模型自体に「縮尺」を明示すること
・任意の場所に建築されているものとし、模型自体に「方位」を明示すること
・空間に対して用途や機能は求めないが、人がどのように空間を体験するかをイメージし、

 内部空間に人の点景を配置すること
・使用できる模型材料は自由とするが、色・反射率・屈折率・透過率などを考慮し用いること
・「作品名と説明文」、「意図する陰影をとらえた模型写真」・「断面図」を用い、

 作品をプレゼンテーション(A3版)すること

「コドモノイス」

子供が使うことを想定し、目的、状況、場所を自らで設定し、

そこで「座る」ことにふさわしい「イス」をデザインする。

 

これまでの課題でも学んできた、スケールや身体寸法に注意し、自分が思い描く、

新たな座るための道具としての「イス」を提案すること。

 

■デザインの条件
【形状】
 ・平面の形状が300㎜×300㎜の範囲とする
 ・形状は基本的に自由だが、座面を地面や台に置くことは禁止とする
【素材】
 ・紙を用いること(段ボール、紙管などの紙を加工して作られた材料も可)
 ・最低限の材料同士の接着、固定に紙以外の材料を用いることは可とする
【強度】
 ・自立すること
 ・子供が座って壊れないこと(提出物は、10㎏の重りを載せて強度の確認を行う)

空間の分節とかたち

 立方体の空間に対し、容積50%(半分)を埋めることで残りの50%の気積を立体的な空間としてデザインしなさい
 空間をかたちづくるということは、ある大きな空間を分節したり切り取ることと言える。大きさ、プロポーション、バランス、それらをどのように関係づけて構成していくのか。有限で単純なかたちである立方体のなかに、分節や切り取るための「かたまり」となる部分と、切り取られた「気積」となる空間のかたちを考える。立方体のアウトラインを活かし、それら「かたまり」と「気積」の自由で魅力的な関係性や、様々な大きさの空間のつながりをデザインできるかを評価する。

 

■条件
・立方体の大きさは、7.5m×7.5m×7.5mとし、その中を50%の「かたまり」で埋め、

 残りの50%の「気積」を立体的な空間としてデザインする。
・「気積」となる空間はひとつながりとし、外に対して完全に閉じた空間とならないこと
・「かたまり」となる部分はあくまでも、かたまりとして表現すること。人が入ることはできない
・重力の概念があるものとし、必ずひとつの面が底面となること
・底面以外の5面のうち最低3面から空間が確認できること(底面からも確認できることは不可ではない)
・人がどのように空間体験するかを考え、人を配置すること

 (必要であれば動線を考慮する。後付けのはしごや階段を設置するのではなく、

  人が行き来できる空間のかたちをコントロールできると良い)
・最終的に立方体のアウトラインが認識できないものは不可とする
・立方体を埋める材料や色などの表現は自由とし、積極的に取り扱うと良い
・作品名、説明文、ダイアグラム、空間の特徴を捉えた模型写真を

 プレゼンテーション(A2)にまとめること

価値の転換                             「場」から生まれる「コト」をデザインする

 皆さんは生活の大半を東海大学湘南キャンパスで過ごしています。自分が普段使っているキャンパスを注意深く観察し、気になった場所や状況に対してどのように感じているのか「自分」で考えてみてください。周囲の人たちがどう思っているかより、まずは自分自身の感覚を大事にしてください。そして可能性のありそうな場所を選定し、その場所のもっている価値を発見してみてください。例えば、他の場所にはない広さや狭さ、人や物の密度、そこから見える景色、その場ならではの人の行為、特徴的なかたち、時間による変化などなど。そして自分が主観的に発見した場の価値を、図面、写真、グラフ、実測、他との比較、などの客観的な資料を用いて評価し、他者が分かりやすいようにプレゼンテーションしてください。

 選定した場の価値を活かして、そこに何かしらの小さな「空間デザイン」を加えて、いままでそこで起きていなかった「コト」を生み出してください。
 「コト」は何でもよいですが、具体的なプログラム(例えばカフェ、図書室、休憩室など)に頼るのではなく、集う、食べる、読む、などの人の行為の具体的な状況を思い描き、自分がその場を使ってみたい・見てみたい・居たいと思えるような空間や状況を目指してください。

 空間デザインとしては、「囲う・覆う」という操作を取り入れてみてください。「囲う・覆う」という操作は、物理的なものであっても、状況のようなものでも構いません。拡大解釈をしてもよいです。
 提案の規模は自由ですが、その場だからこそできることが望ましいです。そして単に「コト」が可能な場をつくるだけでなく、「コト」を生み出すことで「場」の価値が増幅するような、「場」を育てるような提案をしてください。

 最小限の操作で、最大限の効果を生むような提案を期待しています。

*2年次設計演習授業

建築デザイン演習3(春・木3−4・3セメスター)

◎野口直人・小沢朝江・渡邉研司・彦根明・白子秀隆・井上玄・山口紗由・明野岳司・森屋隆洋・伊藤州平・富永哲史

非日常としてのTea House

 日本の伝統的な建築の一つに「茶室」がある。一番小さな交流施設とも言われており、また日常生活から切り離された非日常体験を可能とする空間でもある。茶室の世界は奥が深く理解することは難しいが小さいが故に、空間スケール、空間構成、各部寸法を“身体感覚を伴って”捉えられる。本課題では、現代における小さな交流の場であるとともに、非日常体験を可能とする「Tea House」をデザインしてほしい。
 現代における「Tea House」をデザインするにあたり、伝統的な茶道に沿ったものではなく、交流の形式は自由とするが、日常と切り離された空間で、2人以上でお茶のセレモニーができるものとする。
 あなたが考える日常とはなにか。その対比としての非日常とはなにか。そのような状況で生まれる交流とはなにか。自分ならではの考えを元に、それが可能となる最小限の空間をデザインしてほしい。
 外部空間(日常)とどのようにつながっているべきなのか。
そのような空間はどのくらいの広さ・高さがふさわしいのか。
人と人との距離感はどのくらいがよいのか。
どのような開口をあけたらよいのか、またあけないほうがよいのか。
素材はどのようなものがよいのか。
 小さい空間であるがゆえに、繊細な寸法感覚とそれに伴う効果をしっかりと考える必要がある。
 デザイン2で学んだ空間デザイン(光の取り入れ方・身体スケール・素材感・ひとの行為)、デジタルデザインで学んだ寸法感覚(空間の規模や階段の寸法など)を十分に生かすことを期待する。

 

■敷地条件
・東海大学湘南校舎の敷地内、北門周辺の三角地
■設計条件
・建築面積:10㎡以下
・延床面積:15㎡以上20㎡以下 ※必ず2階以上が必要となるので注意すること
・機能:2人以上でお茶のセレモニーができる空間
    伝統的な茶道に沿ったものではなく、交流の形式は自由とする
    トイレ・キッチンなどは必要なし
・構造:使用材料、構造は自由
・形式:常時設置、ポータブルな組み立て式、セルフビルドできるなど、自由な形式でかまわない

部屋とリビングと隣

 郊外の住宅は高度経済成長期に地方から大都市へ流入する人口の受け皿として、同一時期に大量かつ画一的な住宅が供給されました。しかし、近年、人口減少、超高齢化時代、都心回帰の流れもあり、郊外の住宅の魅力は失われ、虫食い状に空き家が発生し、住環境が悪化していくリスクを抱えています。
 また、東日本大震災の経験から、私たちは家族や地域とのコミュニティーの大切さを再認識しました。共働き夫婦の増加やインターネット・SNSの発達により、ライフスタイルが多様化した現在では、従来のnLDKのような形式にとらわれない、柔軟な住まい方が求められています。
 本課題では家族「部屋」とのつながり方、地域「隣」とのつながり方を考慮した住宅を考えてください。「リビング」の価値を再考し、もっと外に開かれた居場所となることを期待しています。それは、共働き家族の子供のケアや高齢者のケアといった家族の機能を補完するものであったり、SOHOのような職住近接で働く場所であったり、コミュニティーカフェのような地域交流の場であるかもしれません。
 既成の概念にとらわれず、自由な発想で、郊外の住宅が活性化するような魅力的な住宅の提案をしてください。
 
■敷地条件
 神奈川県横浜市都筑区
■建築条件
 敷地面積:222㎡
 建ぺい率:40%
 容積率:80%
 用途地域:第一種低層住居専用地域
 最高高さ:10m
 要求面積:120㎡程度
 その他:建物だけでなく敷地内のランドスケープも提案すること
■家族構成
 40代夫婦+子供2人

広く立体的であること                        -豊かな狭小都市型住まい-

 都心部での生活は、昼夜に関わらず溢れる様々な情報に触れることができとても楽しい(と思う)。また、その生活において、必ずしも衣食住を自分の住まいの中で完結させずに成立させることが可能である。例えば、24時間営業のコンビニやカフェ、レストランなどでは食が補え、漫画喫茶やビジネスホテル、カプセルホテルなどでは住が補える。また、ファストファッションのアイテムによって気軽に外で着替えを購入することも簡単である。家族を持たない世代やライフスタイルの人々(単身者・カップルなど)は、地価が高くとも都心部において低家賃の狭小住戸で成り立つ集合住宅に住まいを借り、衣食住を街の中で補いながら、都心部での生活を楽しんでいる人が多くいる。 しかしながら、そういった生活を受ける集合住宅建築は、高密度化された都心部において、ただの小さな箱の集まりに成り下がりやすく、豊かな住環境(光・風・サイズ・機能)の提供が難しい場合が少なくない。
 そこで、今課題では、単身者・カップルのための住戸群を設計課題とする。床面積としては狭小でありながら空間的に立体的で大きく、豊かな住環境が得られ、更には住人同士がシェアすることのできるスペースがあることで、各住戸の限られた機能が拡張され様々な意味で広く感じられるような、そんな都市部での生活がより豊かになる住まいを求める。

 

■敷地
 所在地:東京都目黒区
 敷地面積:344㎡
 建ぺい率:60%
 容積率:300%
■設計条件
 周辺環境や方位などから、採光・通風・眺望を考慮し、全ての住戸がこれらに対して平等となる立体的な住戸群を計画すること。同じ平面のフロアを積み上げる設計はNG。立体的な住戸がどういった豊かさを獲得できるかを考えること。
要求諸室:住戸
      5世帯分の住戸(単身者もしくはカップル(最低2組)割り振り自由)      

       各住戸40㎡前後かつ必ずしもワンルームでなくて良い。

       各住戸に最低限の機能(トイレ・浴室・キッチン・洗濯機)は設ける
      シェアスペース
      住人同士がシェアすることができ、街並みとつながることのできるスペース
      例)桜並木を見ることができるおおきなバルコニー、

        大勢で食事ができる大きなキッチンとダイニング、

        各住戸と緩やかにつながりながら自由に外部環境が得られるガーデンテラス
要求面積:300㎡
高さ制限:20m
構 造 :自由
階 数 :3層以上とする

建築デザイン演習4(秋・木3−4・4セメスター)

◎渡邉研司・山崎俊裕・河内一泰・納谷新・白子秀隆・山口紗由・山下貴成・佐屋香織・富永哲史

シモキタ・スモールリノベーション

 建築の周りには街があります。建築は敷地の大きさを超えて周辺と関係を持ち、影響を与えます。つまり、建築を考えることは街を考えることから始まります。この課題の目的は街のスケールの視野を持てるようになる事です。
 課題のタイトルの通りシモキタ(下北沢駅北口周辺)を対象にしてスモール(小さな)リノベーションを行ってもらいます。リノベーションとはゼロからつくる新築とは違い、元になる建物を改修する時に使われる言葉です。この課題では元になる素材は下北沢の街です。
 街をサーベイ(調査)し、小さな操作で大きな変化をつくる提案をしてください。必ず街を素材としたデザインとする事がルールです。変化を起こす対象は街の風景だけでなく人の溜まり方、流れ方も含まれます。
 ものには「形」と「意味(機能)」があります。街の中の多くのものは「形=意味」で個々の機能のための形で具体的なものです。これを操作し「形<意味」にする事で抽象化され、広がりが生まれます。
悪い例:休憩するためのベンチ、駐輪場、新築の建物など

 

■敷地条件 下北沢駅周辺に各自設定する
■建築規模 規模は特に規定しない
■建築条件 建築的・都市的な提案であること
■施設内容 ・周辺環境との関わりに配慮した提案であること
      ・新しいアクティビティーを発生させるために必要な機能を含むこと

シモキタプレイス                                                                      これからの下北沢のための「図書館のようなもの」

 下北沢の北口の商業地と住宅地の混在するエリアの一角に、10-20代の若者が利用する「図書館のようなもの」を設計して下さい。小さなスケールの街並みや路地などの人々のアクティビティーを引き込みながら、建築内外で起こる様々な活動が緩やかに交わる建築のかたちを考えて下さい。

 

■敷地条件 東京都世田谷区代沢 小田急鉄道小田原線下北沢駅下車数分
      敷地面積 1594㎡・商業地域・建ぺい率 80%・容積率 500%
      南側と東側道路は現況の道路中心線から2mセットバックして敷地境界線を設定する
     (将来的に4mに拡幅)
■建築条件 構造自由、階数自由、地下可能
■建築規模 延床面積 1500㎡程度
■施設内容 ・エントランスホール(イベントスペース大300㎡を含む)500㎡
      ・図書+学習スペース                 300㎡
      ・カフェ                       100㎡
      ・メディアラウンジ                  200㎡
      ・イベントスペース小                 100㎡
      ・事務室                        80㎡
      ・機械室                        80㎡
      ・倉庫                         40㎡
      ・トイレ                       2ヶ所
      ・階段                        2ヶ所
      ・EV                        1か所
      ・屋外広場(ピロティ―や屋上も可)          300㎡
      ・駐輪場、搬入荷捌スペース(2tトラック1台分)

動物とくらす家                         ウチの生活とソトの生活が重なる家

 敷地は郊外の住宅地です。東京近郊に比べて敷地が広めで周辺の建物も低密度です。住宅地ができた頃は日本の人口が増えている時代で家族は5人、車は2台という想定でした。現在は子供が巣立ち、老夫婦だけの世帯や共働きの夫婦の世帯など2人程度の世帯も増えています。家を建てる予算も限られ、敷地の大きさに比べて小さな家を建てる状況が生まれています。近年の戸建住宅のリノベーションの実例においても、広すぎる内部空間を引き算して外部化しているケースもみられます。この課題ではその余った外部空間を生かし、豊かに生活するための家を考えてもらいます。
 人間2人以上と動物1匹が住む家を設計してください。2人だけの生活でも動物と過ごす空間があれば楽しいでしょう。室内の広さは80㎡以下で最小限の広さとします。人間は室内で生活をしますが、動物は屋外で生活をします。犬や猫のように内外両方で生活する動物もいます。一方で人間も庭で畑をしたり、ガレージで日曜大工をしたり、遠くを眺めるテラスで食事をしたりと外で生活する事もあります。
 本来、建築は雨風、寒さ暑さといった厳しい外部環境から人間の生活空間を確保するためのシェルターです。人間と動物の生活の重なりを考えることはウチとソトの重なりを考える事であり、シェルターとして閉じた建築を開き、ソトへ広がる豊かな建築を考える事でもあります。
 動物は寸法や移動の仕方が人間と違います。人間のための建築と動物のための建築を考えることは、寸法について考える事でもあります。

 

■敷地条件
  郊外の住宅地 敷地面積144㎡
■建築条件
  延床面積は室内で80㎡以下とする。半屋外は自由
  住宅地域、建ぺい率60%、容積率150%
  階数自由(2階建て以上、地下は半地下であれば可)、最高高さ10m
  構造は木造とし、「900モジュール」を基本とすること
  住人は人間2人以上、動物1匹以上(各自設定のこと)
  動物エリア、庭、駐車場1台を含む敷地内のすべての外部を設計すること

 

*3年次設計演習授業

建築設計論1・同演習(春・月3−4・5セメスター)

◎山崎俊裕・河内一泰・手塚由比・篠崎弘之・長谷川祥久

銀座パーク                              -新しい公共的な多層建築のかたちを考える-

 2017年に旧ソニービルが解体され、高密度な商業地の街に余白をつくるというコンセプトでギンザソニーパークができました。2022年には公共スペース(パーク)を含んだソニーのショールームのビルを建てる予定とのことです。
 この課題では、そのストーリーを引用して、公園のようなビルを設計してもらいます。日本人や海外の観光客など多くの人が集まる銀座の街にふさわしい文化施設と共に、歩道や広場、公園など屋外の公共スペースを立体的に織り上げ、新しい公共的な多層建築のかたちを提案してください。

 

■敷地条件
 東京都中央区銀座 707㎡
 商業地域 防火地域 

 建ぺい率90%(角地緩和10%を含む) 容積率1100%(容積緩和300%を含む)
■設計条件
 延べ面積:6,000㎡程度
 構造形式:自由(鉄骨造・RC造・SRC造・木造など)
 階数: 地下1~2層、地上8~10層程度(最低高さ40m、最高高さ60mとする)
 用途:文化施設+公園
1)屋内スペース4000㎡
  ・屋内スペース大 400㎡×2  800㎡
  ・屋内スペース中 200㎡×2  400㎡
  ・屋内スペース小 100㎡×4  400㎡
    ※具体的なアクティビティを想定する事
    Ex:エントランスホール、インフォメーション、展示、イベント

       メディアライブラリー、カフェなど
  ・通路等            900㎡
  ・事務管理スペース       300㎡
  ・機械室            500㎡
  ・便所             300㎡(適宜)
  ・階段(区画された直通避難階段)×1、その他の階段やスロープは自由
  ・EV×1か所、PS+EPS(各階40㎡×10程度)400㎡
2)屋外スペース2000㎡
  ・屋外スペース大        400㎡
  ・屋外スペース中        200㎡
    ※具体的なアクティビティを想定する事
    Ex:エントランスピロティ、公園、眺望テラス、屋外イベントスペース

                カフェ、屋外シアターなど
  ・階段・スロープ等      1400㎡
  ・搬出入スペース(2tトラック1台分)

代官山スポーツ・カルチャーパーク                                            -スポーツを楽しみ、その空間を利用した文化・交流のための公共空間-

 代官山T-SITEは、民間企業であるTSUTAYA(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)が提案したメディアストアがあり、人々は様々な方法でこの空間を利用しています。公共施設ではありませんが、人々は個々の目的や状況に合わせて、様々に空間を既に公共的に利用しています。この環境を参考にして、スポーツを楽しむ場所、スポーツを通して交流・練習する場所、知識を得る、グループ活動や支援を受ける場所をつくります。
 スポーツは、種類によって空間のサイズが決まっています。敷地には限度がありますので、都心の良好な環境の中で、スポーツとそれを介した交流がより活発に行われると思える競技を選定してください。その競技に必要な空間とその観客席を適宜確保します。そしてその前後の準備、更衣、洗面シャワー、トイレ、休憩、打ち合わせ、備品倉庫等の必要空間を計画します。
 さらにスポーツ空間はその特徴に合わせて、音楽、ダンス、演劇、パフォーマンス、映像やメディアを駆使した体験型イベント、パーティー、飲食を伴うテーマイベント等まで、様々な用途にも利用可能です。その可能性も考慮して屋内、屋外両方の空間を提案してください。
 この課題は、必要となる様々な規模の空間を調査し、把握し、その大きさを体感してイメージした上で、リアリティを持って人々の活動を想像し、空間を構想することを目的としています。人々の個々の公共空間の使い方の例はT-SITEで提案されています。そこに、少し大きな規模の空間で、多数の人々が同時に利用、鑑賞できる空間を含めて、施設全体がスポーツと文化の新しい公共空間となるように計画してください。


■敷地条件
 東京都渋谷区猿楽町
 第2種中高層住居専用地域 容積率300% 建ぺい率60%
■設計条件
 延床面積:6,000㎡程度(内外のスポーツ施設含む)
 構造  :自由
 階数  :地下1~2階、地上3階程度(高さ20mまで)
 用途  :屋内スポーツ施設(競技を決め、それが可能な施設と観客席500席程度)1000~1500㎡
      屋外イベント広場兼運動場 適宜
      準備、更衣、洗面シャワー、トイレ、休憩、備品倉庫等 合計300㎡
      トレーニングルーム 400㎡
      ワークスタジオ 400㎡
      展示スペース 400㎡
      様々な用途に用いる貸しスタジオ 60㎡×3室
      ロビー空間 1000㎡(閲覧、椅子スペース300㎡含む)
      カフェ 200㎡(屋外テラス100㎡含む)
      レストラン 200㎡(屋外テラス100㎡含む)
        スポーツショップ 100㎡

                 (これらはスポーツ施設やロビー空間の一部に取り込むことも可とする)
      ストックヤード 100㎡
      事務管理スペース 100㎡
      トイレ 各所に合計100㎡
      倉庫、機械室 300㎡
      車寄せ、身障者駐車場2台、搬出入車スペース、搬入口
      その他共用部分

建築設計論2・同演習(秋・月3−4・6セメスター)

◎河内一泰・野口直人

プレ卒制                            自分の興味を建築のかたちにする

 この課題は卒業制作のための練習です。これまでは与えられた課題を解いてきましたが、卒業制作では自分で課題を設定し、自分で解かなくてはなりません。大学で建築を学んだ数年間の中で、みなさんの中にそれぞれ建築についての興味が芽生えたことと思います。この課題では、自らの建築への興味を掘り下げ、建築の提案として表現してもらいます。課題はリサーチ課題と設計課題の2段階に分かれます。

 

1・リサーチ課題 自分の興味のある建築的な興味を掘り下げる

2・設計課題 各自のテーマを建築のかたちにする
  ■敷地条件:各自設定、架空の敷地でも可
  ■建築条件:建築的・都市的な提案であること
  ■建築規模:各自設定、テーマに応じて設定すること
  ■施設内容:各自設定、抽象モデルでも可