2010年度設計系授業参考作品

 2010年度に行われた1年生から4年生までの設計系授業の参考作品を課題別に紹介します

建築デザイン2・同演習(秋・水3−4・2セメスター)

◎加藤仁美・渡邉研司・十亀昭人・ 長谷川栄子・金子哲也・秋吉正雄・冨永哲史・平本和也・岸本和彦・今村寿博・ 田島 芳竹・森昌樹

浜辺に居場所をつくる 【湘南ひらつかBEACH HOUSE 2011】

主旨
秋学期の建築デザイン2・同演習を通じて学んできたことの集大成として、初めて「機能」を持つ建築空間を考え、デザインする課題である。芸術作品の造形と異なり、人間とかかわる機能をもつためには制約がある。自分なりに求められる機能を分析しながら、自由な発想で条件にあった具体的な空間を構築し、表現することが求められる。また、思考作業を通じて、新たに自分の「建築」に取り組むスタンスを再確認し、今後の設計への足がかりを習得することを目的とする。

課題概要
平塚市の平塚海岸は、湘南を代表する松林と砂浜などのすばらしい環境を備えている。ここでは、ビーチバレーを初めとして各種ビーチスポーツが盛んに行われ、日本を代表するメッカとしても有名である。この海岸の一画に、平塚海岸を望みながら休息や交流など、自ら考えた機能をもつ「空間」をつくる。膜系の素材を全面もしくは部分的に使用することを条件とする。セルフビルドで組み立てる。面積は100㎡以下とする(分散型も可)。自由な発想で、材料の特性を生かした空間を創造してほしい。

建築デザイン3・同演習(春・木3−4・3セメスター)

◎杉本洋文・山崎俊裕・小沢朝江・十亀昭人・ 安部良・堀井義博・岸本和彦・宮晶子・明野岳司・手塚由比・冨永哲史

Small Gallery -駅前に建つ小さなギャラリー-

課題概要
東海大学前駅の商店街の場所に、学内を含めた地域の多様な創作活動の展示などを通して、街と大学・地域住民と学生などの地域のコミュニケーションの場、または今後、街が変化していく上で、街並みの核となるSmall Galleryを計画する
計画を進めるにあたり、Galleryでの展示等の企画展を1つ設定した上でその展示方法と、建築を考える重要な要素の一つである「光(自然光)と影」について再考し、自然光により演出された新たなGallery「光をコントロールする装置としての建築」を提案してほしい。
設計条件
 ・ 要求面積:約50㎡(±10%)
 ・ 最高高さ:10m
 ・ 構造及び階数は自由(ただし地階は不可)

ON OFF 「海をのぞむ家」 -スケールの把握・斜面に対する計画-

課題主旨

現代社会では、人口の多くが都市に暮らすようになり、核家族化も進んでいる。日常の都市での生活は、密度の高い「ONの時間」を過ごしている。その為に、週末などの時間は、その日常から開放され自由な「OFFの時間」を求め、日常とは異なった趣味などの活動を屋外ですることになる。自然豊かな環境に接することによって、私たちは、時の流れ、身体感覚、人と人との関係などを再認識したり、取り戻すことができる。そこで、週末などの短期の期間に、家族や親しい仲間と一緒に、自然豊かな環境の中で生活する「海をのぞむ家」を課題とする。
敷地は、横須賀市秋谷の別荘地の中とし、海に向かって緩やかに傾斜する敷地とする。計画にあたっては、この海の眺望を取り込み、周辺環境との調和に配慮すること。
計画では、親しい仲間5~6人と一緒に生活できる空間を確保し、海を中心とした活動の拠点となるようにする。したがって、各個人は最低限のプライバシーを確保できればよい。また、食事は、皆で一緒に料理をしながら会食できる場を設ける。また、海をのぞむ温浴などを計画する。計画にあたっては、海をのぞみながら活動する拠点なので、それらの活動に必要な空間のスケール感をつかむこと。そして、人・建物ともに積極的に関わっていく装置としての建築の新しい可能性を提案してもらう。

敷地
 ・神奈川県横須賀市

設計条件
 ・敷地面積 266㎡
 ・要求面積 100㎡
 ・絶対高さ 10m以下
 ・構造及び階数は自由
 ・敷地には駐車スペース1台を確保する
 ・全員に個室は必要なのではなく、5~6人の滞在者を基準とする
 ・自然の豊かな暮らしなので、暖炉・展望デッキ・バーベキューテラス・趣味スペースなど

  自由に設定して提案すること

要求諸室
 ・交流スペース(30~50㎡)
 ・宿泊スペース(30㎡)
 ・水回り、他(15~20㎡)
 ・合計 80㎡(min)~100㎡(max)程度
 ・ただし、屋外スペースは、これに含まない

都市に住まう「開かれた住宅」 -エコフレンドリーなホスティングハウス-

課題主旨
東京の都心で生活する家族のための住宅を設計する。敷地は表参道に面した場所で、周囲にはファッションブランドやデザインショップのフラッグシップ店が集り、美術館やギャラリーなどの文化的な施設もある。かつては閑静な住宅街であり、今でもその名残りを見ることができる。「職」の中に「住」が混在するエリアである。こうした都心での生活を成立させるためには、家というプライベートな領域に他者を招き入れることが、物理的にも経済的にも必要になってくる。施主は夫、妻、2歳の娘の3人家族で、休日には友人達を自宅に招いて一緒に過ごせるようなホスティングハウスを希望している。また、屋上テラスやバルコニーなどの屋外生活空間も積極的に取り入れたいと望んでいる。

建築には彼らの住宅としての他に、時折上京する妻の母親が使う住宅(ゲストルームとしても使用する)、夫の職場(事務所)、そしてそのフラッグシップスペースを併せ持つ複合建築とする。夫の職種は各自自由に設定してよい。また、フラッグシップスペースは、夫の職業に関連させたギャラリー、カフェ、店舗、その他一般の来客があるスペースとして提案すること。そして、エコフレンドリーなアイディア、周辺環境への配慮を盛り込み、職と住の隣接する都市生活像への提案を盛り込むこと。家という本来はプライベートな建築に積極的に他者を招き込み、魅力的な生活像を生み出す開かれた場所を提案してほしい。

敷地
 ・東京都港区
設計条件
 ・敷地面積 160㎡
 ・要求面積 100㎡
 ・延べ面積 300㎡以下
 ・絶対高さ 10m
 ・建蔽率 70%
 ・容積率 240%
 ・構造及び階数は自由
 ・近隣の商業ビルや美術館を見学して、客を招きいれる魅力的な空間を研究すること

要求諸室
 ・住宅 110㎡BR> ・母親住宅 30㎡
 ・事務所 70㎡
 ・フラッグシップスペース 40㎡
 ・玄関、廊下、階段室、EV、機械室
 ・合計 250㎡程度

建築デザイン4・同演習(秋・木3−4・4セメスター)

◎吉松秀樹・山崎俊裕・渡邉研司 ・安部良 ・堀井義博・武井誠・木島千嘉・内田尚宏・納谷新・古見演良

Design "Urban Invisible"                        -見えなくなっている「都市の場」を発見し、デザインする-

課題概要
 私達の生活の多くは、都市から与えられる様々な情報によって成り立っている。同時に私達も周辺環境に対して少なからず影響を与えている。従って、建築を設計する行為には、建築単体を考えるだけではなく、その建築が置かれる環境を読み解き、それらに対する問題意識を持った上で提案を行っていくことが求められている。
   
 この課題は、この建築設計に必要な「都市との対話」を、都市を少しだけ変化させる「建築的装置」として表現するものである。現在の街をそのままの形で捉えるだけではなく、情報やアスファルトを剥がせば地形があり、道に至った痕跡があり、人が集まる理由があることなどを感じてほしいし、そうなる準備が出来ていた歴史にも気付いてほしい。「都市の記憶」を呼び覚ますようなアイデアもあるだろうし、都市の中に潜む「自然」に着目するアイデアもあるだろう。提案される建築的装置には、都市を測定する装置であったり、都市生活を少しだけ揺れ動かすものであったり、都市との対話を増幅するものであったり、様々な可能性が考えられる。自分で探し出した都市の「場」に、新たなアクティビティーを起こさせる、小さな魅力あふれる建築的装置を設け、その都市の「場」をデザインすることが、この課題の目的である。

 渋谷~原宿間のキャットストリートを中心とした渋谷川流域をサーベイし、そこに隠された都市の「場」を見つけ、その分析から問題意識を発見し、それらに対する解決策を建築的装置として提案する。そして、そこの小さな建築的装置が、どのようにその都市の「場」を変化させるかを自由にプレゼンテーションしてほしい。
       
 サーベイ → 分析 → 問題意識 → 提案といったプロセスを、自らの体験をもとに空間化することを期待している。

敷地条件
  渋谷~原宿間(通称)キャットストリートを中心とした渋谷川流域に各自場所を設定する。
建築条件
  建築的装置であること。構造自由。
建築規模
  延床面積は特に規定しないが、30~100㎡基準
施設内容
  周辺環境との関わりに配慮した提案であること。
  新しいアクティビティーを発生させる為に必要な機能を含むこと

Media store as Daikanyama Hillside Terrace Annex         -代官山ヒルサイドテラス・アネックスとしての「これからの本屋」-

課題概要
 建築の設計において、public(公共)は欠かせない概念の一つである。社会生活を行う上において無意識に使用している施設全てに、public(公共)は存在している。この課題は、住宅と商業が入り交じった場所である代官山に敷地を選び、代官山ヒルサイドテラスのアネックスとして、「これからの本屋」とはなにか?を考えることで、公共の意味を問うものである。
 
 現在の本は、文化の根元的メディアとして数百年の歴史を持っている。しかし、この伝統的メディアは、iPhoneやiPadの普及に伴って、デジタルメディアに急速に取って代わられつつある。現在の本が全てデジタルメディアに取って代わられると考える専門家は少ないが、その関係性は大きく変化していくに違いない。最近では、デジタルメディアに対してプリントメディアという言葉が使われるようになり、その流通システムも、アマゾン(amazon.com)に代表されるように、急激な変化をとげている。本屋はもはや本の物流拠点としてだけではなく、様々な機能・役割が付加されたメディアストアとして、新しい公共性を獲得しつつあるのかもしれない。以上の様な現状をふまえた上で、最先端のおしゃれな町でもある代官山に、あなたが考える新しいメディア・サービス施設を提案し、これからのメディアと都市生活の関係を記述してほしい。
 
 また、槇文彦氏が35年の歳月をかけて作り出した代官山ヒルサイドテラスのアネックスとして周辺環境を読み込み、都市と生活の関係を考えることもこの課題の目的の一つである。

敷地条件
  東京都渋谷区猿楽町 1030㎡
建築条件
  構造自由・階数自由・地下可能(敷地には一部高低差があるが、無視しても良い)
建築規模
  延床面積 1500㎡程度
施設内容
  メディアストア機能・小ホール機能(100~150人)・展示情報機能・カフェなど+提案プログラム
  管理機能(事務室・従業員控室・倉庫・トイレ)
  搬出入・荷さばき室・機械室(延床面積の7%)
  駐車スペースは設けなくとも良いが、メンテナンス、搬入などのサービス経路を考慮する
  管理、サービスのスペースを確保し、周辺環境も含めた提案を必ず行うこと

スケールを考える                           7人ですむところ -両国に集って住む意味を考える-

課題主旨
個の時代だと言われて久しい。携帯が普及し、求める情報にいつでもつながる社会を手にして、社会や家族への帰属意識は、ますます希薄になっている。誰に会わなくても、働いたり学んだりできる一方、コミュニケーションへの渇望が生む、様々な社会問題も引き起こされてきている。

統計を見ると、2005年度に全国で29.5%であった単独世帯率は、2030年には37.4%になると予想されている。(2005年の世界の単独世帯率上位は、スウェーデン46%、ドイツ39%、ノルウェー38%、デンマーク38%)現在の東京の単独世帯率は43.5%で、新宿区58.09%、渋谷区57.49%、中野区57.22%、中央区56.60%、豊島区56.29%と上位の区は50%を超えている。(平成22年予測値)都市部では、もはや一人で住むことの方が普通になりつつある。しかし、都心の家賃は総じて高く、都心でゆったり暮らすことのハードルは高い。結果として、小さなワンルームマンションやアパートばかり目立つのが、現在の東京である。

こういった現状を踏まえて、両国という東京の下町に、異なる生活スタイルを持つ7人が生活する場所を設計してほしい。現代において、集まって住むこと(生活すること)の意味を再考する課題である。それはシェアハウスかもしれないし、小さなコレクティブハウジングかもしれない。SOHO(Small Office Home Office)かもしれない。だが、全員が共有するスペースは必ず持たせてほしい。

敷地は広くないので、多層(3層以上)になるだろう。7人が快適に住むためには、複数の領域をつなぐ装置として「階段」に注目してほしい。また、トイレ・風呂・キッチンなどの数やスケールも重要な要素になるだろう。2年生の最後に、建築の基礎となる水回りや階段の「スケール」を意識しつつ、新しい7人の住まい方を描いてほしい。

 

敷地条件
 東京都墨田区
 用途地域:商業地域
 建ぺい率:80%
 容積率:500%
 防火地域
建築条件
 構造自由
 階数自由
建築規模
 延床面積 240㎡程度
 建築面積は自由
 但し、民法上、敷地境界から建物が50cm以上は離れていること。
設計条件
 生計を別にする7名が生活をする。(複数の家族でも可)
 全員が共有するスペースを必ず持つこと。

建築設計論1・同演習 (春・月3−4・5セメスター)

◎吉松秀樹・杉本洋文・ 古見演良・蜂屋景二・竹内申一・武井誠

Elementary School without a track,Mejiro

課題内容
みなさんは、どんな小学校で6年間を過ごしたでしょうか?
学校建築は、この30年ほどの間に随分と様変わりしました。北側片廊下に教室が並ぶ従来型から、特定の教室を持たないオープンスクール型まで、様々な学校がつくられました。みなさんの中には、オープンスクール型の学校で育った人も少なくないのかもしれません。こうした学校建築の多様化は、教育や学校のあり方が模索され試されてきた結果です。そして、それは現在も継続しています。
学校を取り巻く社会環境も大きく変わっています。より地域に開放された学校が求められるようになり、生涯学習の場としての利用や、子育て支援のための設備が設けられるようになりました。学校は、社会から切り離された教育のためだけの空間ではなく、都市や地域の生活を豊かにする公共空間として活用され始めているのです。

学校は、教育のための場所である一方、多くの人間が過密に動き回る小都市であり、群れとしての子供達が生活する小さな社会だともいえます。どんな空間をつくれば、子供達が生き生きと学び、遊ぶ環境が生まれるでしょう?そして、どのようにすれば、社会や街との新しい関係が築けるでしょうか?既存の教育プログラムや学校建築の形式にとらわれる必要はありません。これまでにない、生き生きとした学校空間を提案してください。


学校単体の設計だけではなく、地域住民に開かれた昨日を複合させた都市型小学校(スクール)を設計する。
様々な世代にとっての「学びの場」を提案するにあたって、以下の3つの連続性を意識してほしい。
1:都市コンテクスト(文脈)を読み込み、ランドスケープと建築デザインを行うことによる周辺環境との連続性
2:子供達・教員・地域住民にとっての平面的・断面的な動線計画を熟慮し、配置された諸機能の連続性
3:建築計画にとどまらず、家具デザインから構造デザインに至る思考の連続性

建築のカタチにプログラムをあてはめるのではなく、プログラムを考えることから建築を作りあげていくことを目標に、スケッチや図面を描いて案を練り上げ、新しい教育地域施設の在り方を提案してほしい。

敷地面積 8260㎡
設計条件 
 ・延床面積:4000㎡程度
 ・構造形式:S造、RC造、SRC造など
 ・必要諸室:下記を基準面積として提案を行うこと。(提案に応じて変更してよい)
     a.普通教室   : 768㎡ (64㎡教室×12室)
     b.音楽室    : 128㎡ (1室)
     c.理科室    : 128㎡ (1室)
     d.家庭科室   : 128㎡ (1室)
     e.図画工作室  : 128㎡ (1室)
     f.図書室    : 128㎡ (1室)
     g.校長室    : 64㎡  (1室)
     h.職員室    : 128㎡ (1室)
     i.保健室    : 128㎡ (1室)
     j.共用部    : 2400㎡ (WS・廊下・トイレなど)
     k.提案機能   : 自由

Museum of Contemporary Tokyo -断面から建築を考える-

課題内容

現在、日本への観光客は世界で30位で、1位のフランスの年間8000万人のわずか1/10。アジアでも7位で、シンガポールよりも少ない数に甘んじている。しかし、日本文化は海外で根強い人気があり、アニメやマンガ・ゲームなど新しい日本文化への興味も増加しており、観光立国としての素地は固まりつつある。


交通機関などの外国語表記やアナウンスは、ここ数年でかなり整備されてきたが、その一方でインフォメーションセンターや観光拠点などの整備はかなり遅れていると言わざるをえない。
こういった背景を受けて、日本を代表する街である銀座を敷地に、現代の東京とその歴史文化を発信する博物館「Museum of Contemporary Tokyo」(以下、MoCoT)を計画する課題である。


MoCoTには、東京の全体模型や歴史などの紹介だけでなく、アニメ・マンガを始め、日本のアート、映画、ファッション、文学、建築、デザイン、音楽、演劇、パフォーマンス、ゲーム、インターネットなど新しい日本文化を紹介する機能が盛り込まれる他、ツーリストインフォメーション機能や観光サポート機能など、最新の情報と場所の提供が行われる。

 

計画にあたり、以下の3つの連続性を意識してほしい


 1:ランドスケープと建築の両方をデザインすることによる周辺環境との連続性。

   都市コンテクスト(文脈)を読み込み、銀座の都市アクティビティを理解する。
 2:平面的・断面的な動線計画を熟慮し、配置された諸機能の連続性。

   施設全体が東京や日本への観光客にとって魅力的な施設であること。

   すなわち、エントランスホールやレストラン、さらには垂直動線もが

   展示や情報スペースであり、積極的な関係をもった提案を行って欲しい。
 3:利用者と展示・情報空間の快適な接し方から、

   家具デザインから構造デザインに至る思考の連続性。

   建築のカタチにプログラムをあてはめるのではなく、プログラムを考えることから

   建築を作りあげていくことを目標に、スケッチや図面を描いて案を練り上げ、

   新しい文化施設の在り方を提案する。

 

敷  地 東京都中央区銀座
敷地面積 1,760㎡
設計条件 延床面積 10,000㎡前後
構造形式 S造、RC造、SRC造など
最高高さ 45m

必要諸室 以下の諸機能を基準とするが、新たな機能を加えた提案も可能である。
  A:エントランスホール・オープンスペース(観光情報サポートセンター・イベントスペースなど)
  B:ブックショップ&ミュージアムショップ

    (400㎡/六本木TSUTAYAのような文化情報発信型スペース)
  C:カフェ及びレストラン(低層階カフェ・上層階レストランなど)
  D:常設・企画展示(展示2500㎡/一時倉庫・休憩・トイレ、天井高さ必要)
  E:ワークショップ(300㎡/教育部門・インストラクター・平土間)
  F:シアター・シネマ(300㎡/講演・作品上映・映画など)
  G:ライブラリー(200㎡/関係図書・アーカイブ・デジタルスタジオ)
  H:オフィス(400㎡/事務室・館長室・会議室)
  I:研究室(200㎡/学芸員室・ボランティア室)
  J:収蔵(1000㎡程度/搬出入スペース・荷解きスペース・収蔵・補修)
  K:機械(10~15%/空調・電気)
  L:その他

    (ロビー・ホワイエ・通路・休憩ラウンジ・階段・便所・EV・屋外イベントスペースなど)

建築設計論2・同演習(秋・月3−4・6セメスター)

◎杉本洋文・岩岡竜夫・ 岩崎克也・山県洋

「集住の新たなかたち」

課題内容

この課題は、私達が住まうところを得ると同時に、集って住まうことを、根本から考え直す課題である。従って、今の自分の中にあるこれまでの考え方を捨て、新たな考え方の上に立って建築を設計することによって、新たな集住のかたちを提案してもらうことを課題の目標としている。まず、私達は、自分のライフスタイルを実現させる住まい方を考えている。そして、様々なスタイルの住宅建築が多くの建築家によって提案されてきた。集住に対しては、これまで様々な提案はされてきたが、画一的なマンションや集合住宅が圧倒的に存在していて、決して最良の解を示していないのが現状で、私達には大きな課題として投げかけられている。そこで、私達が集って住む意味を改めて考え直し、新たな時代への提案を求める。次に、この課題はグループ課題とする。建築の設計は一人で行うことは少なく、様々な専門家と協働してプロジェクトを推進する。そこで、この課題では、グループで取り組み、チームワークを発揮して、課題内容の把握に始まり、調査から最終提案までを行い、一連の作業のスケジュール管理からプロジェクトマネージメント等も協働で進めることを重要視する。

Hall & Cultural Exchange Complex in Yokohama

課題内容

本課題は、神奈川県の文化芸術の創造拠点を提案することを目的としている。敷地は、横浜市山下町地区で、横浜開港150周年に向け、「神奈川の顔としてふさわしい拠点づくり」をコンセプトに整備された神奈川芸術劇場(県立新ホール)の場所とする。この施設は、市街地再開発事業の連続した街区に位置しており、現在の建築は、新しい県立ホールとNHK横浜放送会館を中核として施設整備が行われている。この課題では、県民の文化芸術の拠点づくりとして、同じ敷地を使って、本格的な大型ホール(800席)と交流施設(小規模図書館・多目的ホール)を複合させ、さらに敷地内の文化財を活かして外部の広場空間の提案を求めることとする。

設計にあたって、下記のことを考慮しながら新たな文化施設の提案を求める。
1・本格的な舞台芸術作品を鑑賞できる施設を見学し、ホール建築の設計を学ぶ。
2・複合される交流施設によって創造・交流を創出する建築空間を提案する。
3・都市の中で賑わいをつくりだす都市広場と都市建築のあり方を考える。

 

敷地及び周辺条件
 敷 地 面 積 : 6,400㎡
 用 途 地 域 : 商業地域
 建 蔽 率 : 80%
 容 積 率 : 600%
 そ の 他 : 防火地域、第7種高度地区(高さ31m以下)

建築概要
 構 造 : 鉄筋コンクリート構造または鉄骨造
 規 模 : 8,000㎡程度
 階 数 : 適宜
 必要諸室: (下記を参考とするが、適宜考えて提案も可)
  1・ホール施設(5,000㎡)
    ・ホール(800席 音響に配慮した本格的なホール・平土間は不可)
    ・ホワイエ
    ・楽屋(大きさの異なる楽屋を複数)
    ・リハーサル室(上演のリハーサルを主用途とし、舞台の大きさを確保)
    ・練習室(20㎡程度と40㎡程度のものを複数)
  2・交流施設(2,000㎡)
    ・ロビー
    ・カフェ・レストラン
    ・多目的スペース(展示やミニコンサートなど多目的な利用150㎡×3ヶ所)
    ・図書館(開架書庫・読書ラウンジなど1,000㎡)
  3・広場(外部)
  4・管理施設
    ・事務室
    ・駐車場(各施設の搬入用と身障者用のみ、来客用は近隣の駐車場を利用)
  4・その他
    ・各施設に必要なトイレ、倉庫など
    ・機械室

卒業設計TOP11 (8セメスター)